「超古代文明アトランティスに由来する」といわれるクリスタルボウルは、コンピューター産業興隆の恩恵を受けて現代のハイテクの技術でよみがえり、現在では世界中で楽器として音楽のみならず、振動性音響のヒーリングツールや瞑想・ヨガ・太極拳・気功のBGM、風水ツールをはじめ、多様な目的で使われるようになっています。

クリスタルボウルは、粉砕された天然の水晶を大小さまざまなサイズや形状の型に入れ、摂氏2000度前後の高熱で溶解し、成型されていますが、元来、シリコンクリスタルを培養する器として製造されています。30年ほど前に、これらの器をマレットなどで叩いたりこすったりすると美しい振動音を奏でることが分かり、クリスタルボウルが世の中に紹介されるきっかけとなりました。以来、クリスタルボウルの音を使った音響療法の研究や実践が世界中に拡大し、現在に至っています。

30年ほど前の製造当初からFrosted(フロスティッド)と呼ばれる水晶の含有率が99、9%の乳白色ボウルが主流だったのですが、近年、水晶100%製や他の貴金属、ジェムストーン、鉱物などを混入して製造された新しいタイプの特殊ボウルが開発され、普及し始めています。CD「倍音浴」では、100%水晶製ボウルを主に、モルダヴァイト、アメジスト、ローズクォーツ、プラチナ、24金、ホワイトゴールド、銀、銅など10種以上のさまざまなニュータイプのボウルの共鳴音が録音されています。

ニュータイプのボウルとフロスティッド・ボウルの違いは、その値段、サイズだけではなく、音響的な相違であり、ニュータイプのボウルは軽量・小型で豊かな倍音を含んでいるということです。フロスティッド・ボウルの良さは、特に直径50cm以上の大型サイズボウルが発する重低音の響きでしょう。

それぞれのクリスタルボウルは、ドからオクターブ上のドまで#を含む13の特定の音階をもち、それぞれ、特定の色とチャクラと呼ばれる私たちの各エネルギーセンターに対応した周波数で調律されています。

クリスタルボウルの振動音は、非常に純粋な正弦波形を描きながら響きますが、実際の計測では600m先まで音が到達することが確認されており、このような純粋な波形(超音波)は物体をも通過して拡散していきます。

くりすたり庵では、数個の重低音用大型フロスティッド・ボウル以外はすべて100%水晶製ボウルと特殊ボウルを使用していますが、重低音のフロスティッド・ボウルに倍音豊かな100%系ボウルを組み合わせることで、音響的にバランスのとれた美しい共鳴音を奏でることが可能です。

近年クリスタルボウルの持つヒーリング効果が科学的にも研究されるようになりました。クリスタルボウルの音を聴いたり奏でたりすることにより、私たちの心身は非常にリラックスした状態に導かれます。そうすると、過度に高まっていた交感神経の働きは抑制され、副交感神経が刺激され優位になることで心身の緊張がほぐれてストレスは緩和され、脳波はアルファ波やシータ波に変性され、免疫値が高まり、心身の諸症状が改善したり治癒したりすることが数多く報告されています。

豊かな倍音を含むクリスタルボウルの共鳴振動音は、「次元を上昇させる音」ともいわれるほど多次元的・多層的な「天球のハーモニー」となり、あらゆる器官や組織、細胞を振動させます。CD「倍音浴」のブックレットの中で上野圭一氏(翻訳家・日本ホリスティック医学協会副会長)は、「人体は70%以上が水であり、音波の伝導率は空気中より水中のほうが高い(約5倍)。したがって耳から脳を介して伝導される音波だけではなく、からだに直接伝導される振動刺激は効率が良く、とくに細胞レベルには想像以上の音波刺激がもたらされる」と記しています。クリスタルボウルの共鳴音は全身全霊を震わし、血液循環、代謝、内分泌のみならず、チャクラをも「共鳴させ、調整し、活性化する」というプロセスを引き起こし、結果的に「ボディー・マインド・スピリット」のバランス化、合一がもたらされるのです。

人体は、潜在的にその内部に多くの共鳴性を有しており、実際からだは何億個もの水晶状の物質によって形成されているといっても過言ではありません。からだの骨は、二重らせん構造のコラーゲンの組み合わせで形成されていますが、それは「アパタイトクリスタル・燐灰石」と呼ばれる燐酸カルシウム系の骨格を組成します。このアパタイトクリスタルは体内のいたるところ、とりわけ頭蓋骨や歯、そして全身に多く存在しており、他のクリスタルと同じように潜在的に共鳴性を有しているのです。からだはあらゆる音に対して潜在的に共鳴する性質があるのですが、結晶質構造の私たちのからだに、同じ結晶質の水晶製クリスタルボウルの響きはとりわけ作用しやすいわけです。

水晶は、物理的にエネルギーを変換、増幅、蓄積、伝導するなど多くの特性を持ち合わせていることが良く知られており、水晶を使ったヒーリングは何千年も前から行われてきていますし、コンピューターをはじめ、テレビ、ラジオ、時計、レーザー機器、マイクロフォンなどなど現代社会を営み維持していく上で必要不可欠な重要な役目を担っています。

思考や想念はエネルギーの形態であり、それらがクリスタルやクリスタルボウルの持つ物理的特性とポジティブな意図や言葉と一緒に組み合わされる時、思考や想念はより調和され、脳波は変性されて私たちの意識にも作用を及ぼし、驚くべき癒しの効果があらわれるのです。

(文:牧野持侑)

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